X 保険給付
(12)被扶養者に対する給付
@ 家族療養費
被扶養者の病気やけがに対しては、家族療養費が支給されます。その給付の範囲・受給方法・受給期間などは、すべて被保険者に対する療養の給付と同様です。  
家族療養費は、被扶養者の療養に要する費用の7割(入院の場合は8割)相当額を現物給付することになっていますので、実際の取扱いとしては被扶養者が外来で保険診療を受けたときは診療費の3割相当額と被保険者と同様に薬剤の種類及び投薬日数に応じて負担することとなった薬剤の一部負担金を、入院の場合は、診療費の2割相当額を保険医療機関などに支払えばよいことになります。  
保険診療として家族療養費の支給を受けることができない場合には、現物給付として家族療養費の支給を受けることができますが、この場合には、被保険者に対する療養費と同様次の条件が必要です。
ア 保険診療を受けることが困難であるとき
イ やむを得ない事情があって保険医療機関となっていない病院などで診療・手当等を受けたとき
なお、入院時食事療養費と特定療養費は、家族療養費として給付されます。
A 高額療養費
被保険者と同じです。
B 家族埋葬料
被扶養者が死亡した場合、その埋葬の費用の一部として被保険者に家埋葬料が支給されます
(死産児については支給されません)。家族埋葬料の額は10万円となっています。
C 配偶者出産育児一時金
被扶養者である配偶者が分べんした場合、被保険者に配偶者出産育児一時金として30万円が支給されます(被保険者に支給されるものですから、被保険者が死亡した後の分べん、被保険者が会社をやめた後の配偶者の分べんについては、配偶者出産育児一時金は支給されません)。
(13)資格喪失後の保険給付
健康保険の保険給付は、被保険者に対して行われるのを原則としていますが、退職などにより被保険者でなくなった(資格喪失)後においても、一定の条件のもとに保険給付が行われます。
@保険給付を受けている人が資格を喪失した場合(継続給付)
資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人は、資格を喪失した際に現に受けていた次の給付を引き続き受けることができます。
A 療養の給付及び家族療養費
資格を喪失した際、保険診療(特定療養費に係る療養及び老人保健の医療を含みます)を受けていた病気やけがについては、その給付開始日から5年間従来どおり受けられます。
ただし老人保健の医療を受けることができる期間は、継続給付は行われません。
B 傷病手当金および出産手当金
傷病手当金は1年6か月間、出産手当金は出産前後合わせて原則98日間の範囲内で、支給を受けることができることになっていますが、この期間から被保険者である間にすでに支給を受けた残りの期間について受けることができます。
A資格を喪失した後に保険給付を受ける事由が生じた場合
これには、死亡に関する給付と分べんに関する給付の2種類があります。
A 死亡に関する給付
次の場合は、埋葬料か埋葬費が支給されます。
(1) @に該当する人が死亡したとき
(2) @に該当する人が継続給付、老人保健の医療又は特定療養費の支給を受けなくなってから3か月以内に死亡したとき
(3) 被保険者が資格を喪失して3か月以内に死亡したとき
B 分べんに関する給付
資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人が資格喪失の日後、6か月以内に分べんをしたときは、被保険者として受けられる出産育児一時金及び出産手当が受けられます。
(14)(給付の制限を受ける場合)
健康保険では、故意の犯罪行為など制度の趣旨に反するような恐れがあるときは、社会保険の公共性の見地から一定の条件のもとに給付の全部又は一部について制限を行うこととなっています。また、給付を行うことが事実上困難な場合とか他の制度から同様の給付が行われた場合の調整的な意味あいでの給付制限もあります。
具体的には、次のような場合に保険給付の制限または調整が行われます。
(1) 故意の犯罪行為又は故意に事故をおこしたとき
(2) けんか、よっぱらいなど著しい不行跡により事故をおこしたとき
(3) 正当な理由がなく医師の指導に従わなかったり保険者の指示による診断を拒んだとき
(4) 詐欺その他不正な行為で保険給付を受けたとき、又は受けようとしたとき
(5) 正当な理由がないのに保険者の文書の提出命令や質問に応じないとき
(6) 伝染病予防法等他の法律によって、国又は地方公共団体が負担する療養の給付等があったとき
中小企業者のための税法のページ

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