X 保険給付
(8)高額療養費
重い病気などで病院等に長期入院したり、治療が長引く場合には、医療費の自己負担額が高額となります。そのため家計の負担を軽減できるように、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。
ただし、特定療養費の差額部分は支給対象にはなりません。
A 自己負担限度額
被保険者、被扶養者ともに同一の保険医療機関での1人1か月の自己負担限度額は所得に応じて、次の計算式により算出されます。
ア 生活保護の被保険者や市町村民税非課税世帯などの人……35,400円
イ 標準報酬月額が56万円以上の被保険者及びその被扶養者
  ……121,800+(医療費−609,000円)×1%
ウ ア、イに該当しない人
  …… 63,600+(医療費−318,000円)×1%
B 多数該当世帯の負担軽減
高額医療費に該当となる療養を受けた月以前の12ヶ月間における高額医療費の該当回数が4回以上となる場合、自己負担限度額は次のようになります。
ア 生活保護の被保護者や市町村民税非課税世帯などの人………24,600円
イ 標準報酬月額が56万円以上の被保険者及びその被扶養者…70,800円
ウ ア、イに該当しない人……………………………………………37,200円
C 世帯合算
同一世帯内で、同一月における自己負担額が30,000円以上の人(生活保護の被保護者や市町村民税非課税世帯などの人は、21,000円)が2人以上いる場合の自己負担限度額は、それぞれの医療費を合算し、A又はBに当てはめて算出した金額となります。
D 長期高額疾病についての負担軽減
人工腎臓を実施している慢性腎不全の患者については、自己負担の限度額は10,000円となっており、それを超える額は現物給付されるので、医療機関の窓口での負担は最大でも10,000円で済みます。
この他、血友病(先天性血液凝固因子障害)患者のうち第・因子障害、第・因子障害の人や、後天性免疫不全症候群で血液製剤の投与によるHIV感染者の中からの2次、3次感染の人についても、自己負担の限度額は10,000円となっています。なお、人工透析患者などについては、医師の意見書等を添えて社会保険事務所に申請し、「健康保険特定疾病療養受療証」の交付を受け、医療機関の窓口にその受療証と被保険者証を提出して診療を受けることが必要です。
(9)傷病手当金
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、事業主から報酬が受けられない場合に支給されます。
A 傷病手当金が受けられるとき
傷病手当金は、被保険者が病気やけがのために働くことができず、連続して3日以上勤めを休んでいるときに、4日目から支給されます。
ただし、休んだ期間について事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には、傷病手当金は支給されません。
B 支給される金額
支給額は、病気やけがで休んだ期間、一日につき、標準報酬日額の6割に相当する額です。なお、働くことができない期間について、ア、イ、ウ(平成13年4月1日より)に該当する場合は、傷病手当金の支給額が調整されることとなります。
ア 事業主から報酬の支給を受けた場合
イ 同一の傷病により障害厚生年金を受けている場合(同一の傷病による国民年金の障害基礎年金を受けるときは、その合算額)
ウ 退職後、老齢厚生年金や老齢基礎年金又は退職共済年金などを受けている場合
(複数の老齢給付を受けるときは、その合算額)(平成13年度4月1日より)
  ア〜ウの支給日額が、傷病手当金の日額より多いとき、傷病手当金の支給はありません。
 ア〜ウの支給日額が、傷病手当金の日額より少ないときは、その差額を支給することとなります。
傷病手当金は、病気やけがで休んだ期間のうち、最初の3日を除き(これを「待期」といいます。)4日目から支給されます。
その支給期間は、支給を開始した日から数えて1年6か月です。
(10)埋葬料および埋葬費
被保険者が亡くなったときは、埋葬を行う人に埋葬料または埋葬費が支給されます。
A 埋葬料
被保険者が死亡したときは、埋葬を行った家族(被保険者に生計を維持されていた人であれば、被扶養者でなくてもかまいません。)に故人の標準報酬月額の1か月分(100,000円未満のときは100,000円)の埋葬料が支給されます。
B 埋葬費
死亡した被保険者に家族がいないときは、埋葬を行った人に、埋葬料の額の範囲内で、埋葬にかかった費用が埋葬費として支給されます。
(11)分べんに関する給付
A 出産育児一時金
被保険者が分べんをしたときは、1児ごとに30万円が、出産育児一時金として支給されます。
正常な分べんのときは病気とみなされないため、定期検診や分べんのための費用は自費扱いになります。
異常分べんのときは、健康保険が適用されますので療養の給付を受けることができます。
多生児を出産したときは、胎児数分だけ支給されますので双生児の場合は、出産育児一時金は2人分になります。
B 出産手当金
被保険者が出産のため会社を休み、事業主から報酬が受けられないときは、出産手当金が支給されます。
これは、被保険者や家族の生活を保障し、安心して出産前後の休養ができるようにするために設けられている制度です。
a 出産手当金が受けられる期間
  出産手当金は、分べんの日(実際の分べんが予定日後のときは分べんの予定日)以前42日目(多胎妊娠の場合は※98日目)から、分べんの日の翌日以後56日目までの範囲内で会社を休んだ期間について支給されます。ただし、休んだ期間にかかる分として、出産手当金の額より多い報酬が支給される場合は、出産手当金は支給されません。
b お産が予定よりおくれた場合
  予定日よりおくれて分べんした場合は支給期間が、分べん予定日以前42日(多胎妊娠の場合は70日、平成10年4月からは98日)から分べん日後56日の範囲内となっていますので、実際に分べんした日までの期間も支給されることになります。たとえば、実際の分べんが予定より4日おくれたという場合は、その4日分についても出産手当金が支給されます。
c 支給される金額
  出産手当金は、1日につき標準報酬日額の6割に相当する額が支給されます。  
会社を休んだ期間について、事業主から報酬を受けられる場合は、その報酬の額を控除した額が出産手当金として支給されます。  
※分べんの日が平成10年6月9日以前の場合は、70日となります。
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