X 保険給付
(4) 特定療養費
被保険者が自ら希望して大学病院など高度先進医療を行う医療機関として厚生労働大臣の承認を受けたもの(特定承認保険医療機関)で医療を受けたときは、一般 の診療と変わらない基礎的な部分については特定療養費が支給されます。
特定療養費の給付率は、療養の給付又は家族療養費の支給と同じです。 特定療養費に係る医療を行った医療機関は、差額徴収分と保険診療分とを区分した領収書を発行しなければなりません。
特定承認保険医療機関の承認用件は、厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会の意見を聞いて定めることとされており、病床数、常勤医師(歯科医師)数、看護体制等について具体的な基準が定められています。
また、一般の保険医療機関における厚生労働大臣が定める特別のサービスや治療材料としては、特別の病室の提供及び金歯を使った歯の治療などが定められています。
(5) 療養費
健康保険では、保険医療機関の窓口に被保険者証を提示して診療を受ける『現物給付』が原則となっていますが、やむを得ない事情で、保険医療機関で保険診療を受けることができず、自費で受診したときなど特別 な場合には、その費用について、療養費が支給されます。
A 療養費が受けられるときは?
a 保険診療を受けるのが困難なとき  
〈例えば〉
(1) 事業主が資格取得届の手続き中で被保険者証が未交付のため、保険診療が受けられなかったとき
(2) 伝染病予防法により、隔離収容された場合で薬価を徴収されたとき
(3) 療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したとき
(4) 生血液の輸血を受けたとき
(5) 柔道整復師等から施術を受けたとき
b やむを得ない事情のため保険診療が受けられない医療機関で診察や手当を受けたとき  
〈例えば〉
(1) 旅行中、すぐに手当を受けなければならない急病やけがとなったが、近くに保険医療機関がなかったので、やむを得ず保険医療機関となっていない病院で自費診察をしたときなどがこれにあたります。この場合、やむを得ない理由が認められなければ、療養費は支給されません。
B 療養費の額
療養費の額は、実際に支払った額ではなく、保険診療を行ったとした場合の基準(診療報酬点数表)によって計算した額が支給されます。
ただし、実際に支払った額が、保険診療の基準による額より少ないときは、実際に支払った額が支給されます。
なお保険診療では、一部負担金を負担することになっていますので、一部負担金相当額を差し引いた額が療養費として支給されます。
(6) 訪問看護療養費
居宅で療養している人が、かかりつけの医師の指示に基づいて訪問看護ステーションの訪問看護婦から療養上の世話や必要な診療の補助を受けた場合、その費用が、訪問看護療養費として現物給付されます。
A 支払われる額と利用料
訪問看護療養費の額は、厚生労働大臣が定める基準にしたがって算出した額から、患者が負担する基本利用料を控除した額です。
訪問看護の基本利用料は、被保険者本人で2割、被扶養者で3割となっています。
なお訪問看護療養費の基本利用料は、高額医療費の対象となります。
訪問看護療養費の額 基本利用料
被保険者:平均的な費用の8割 同2割
被扶養者:平均的な費用の7割 同3割
B 支払方法と領収書の発行
訪問看護療養費は、保険者が被保険者に代わって、指定訪問看護事業者にその費用を直接支払うこととなっており、患者は、直接基本利用料を支払うことになります。
また患者は、交通費・おむつ代などの実費や特別サービス(営業時間外の対応等)を希望して受けた場合の特別 料金を支払うことになります。
指定訪問看護事業者は、基本利用料とその他の料金について区別して記載した領収書を発行することになっています。
(7) 移送費
病気やけがで移動が困難な患者が、医師の指示で一時的・緊急的必要があり、移送された場合は、移送費が現金給付として支給されます。  
支給要件
移送費の支給は、次のいずれにも該当すると保険者が認めた場合に行われます。
● 移送の目的である療養が、保険診察として適切であること。
● 患者が、療養の原因である病気やけがにより移動が困難であること。
● 緊急・その他、やむを得ないこと。
支給額
● 移送費の額は、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の旅費に基づいて算定した額の範囲での実費です。
● なお、必要があって医師等の付添人が同乗した場合のその人の人件費は、『療養費』として支給されます。
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