W 税額の計算

1 納付税額の計算
 (1)消費税
消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上高に4%を掛けた額から、課税仕入高に4%を掛けた額を差し引いて計算します。
課税期間は、原則として個人の場合は1月1日から12月31日までの1年間です。
法人の場合は事業年度です。
ここでいう課税売上高や課税仕入高は消費税及び地方消費税に相当する額を含めない税抜きの価額のことです。
     消費税の納付税額 = 課税期間中の課税売上
に係る消費税額
課税期間中の課税仕入
に係る消費税額
 (2)地方消費税
    地方消費税の納税額は消費税の納付税額の25%です。
   納税する際には消費税と地方消費税の納付税額の合計額をまとめて納税してください。
2 簡易課税制度
課税期間の前々年又は前々事業年度の課税売上高が2億円以下である事業者で、「消費税簡易課税制度選択届出書」を事前に提出している者は、仕入れに係る消費税額を実額によらないで計算する簡易課税制度の特例が受けられます。
3 課税売上げと課税仕入れ
 事業者が国内で商品の販売やサービスの提供などを行った場合には、原則として消費税がかかります。
 この消費税の納付税額は課税期間中の課税売上高に4%を掛けた額から課税仕入高に4%を掛けた額を差し引いて計算します。
 課税仕入高に4%を掛けた額を差し引くことを仕入税額の控除といいます。
 ここでは、課税売上げと課税仕入れについて説明します。
 まず、課税売上げとは、商品の売上げのほか、機械や建物等の事業用資産の売却など事業のための資産の譲渡、貸付け、サービスの提供をいいます。
 ただし、土地の売却や貸付けなどの非課税取引は含まれません。
 次に、仕入税額の控除ができる課税仕入れについてです。
 課税仕入れとは、商品などの棚卸資産の仕入れ、機械や建物等の事業用資産の購入又は賃借、原材料や事務用品の購入、運送等のサービスの購入、そのほか事業のための購入などをいいます。事業のための購入であれば、仕入先が免税事業者や消費者の場合でも課税仕入れに含めることになります。
 ただし、土地の購入や賃借などの非課税取引、課税対象とならない給与、賃金などは含まれません。
 次に、仕入税額の控除は、実際に仕入れなどをした課税期間において行います。
 したがって、建物などの減価償却資産であっても、それらの資産を購入した課税期間において、その購入価額の全額に対する消費税の額が仕入税額の控除の対象になります。
 なお、消費税の納税義務が免除されている事業者については、この仕入税額の控除は受けられません。
4 税抜き又は税込みの経理処理
消費税の納税義務者である事業者の、所得税、法人税の所得計算に当っては、消費税及び地方消費税は税抜き、税込み、どちらで経理してもよいこととされています。
税抜きで経理する場合は、課税売上げに対する税額は仮受消費税等とし、課税仕入れに含まれる税額については仮払消費税等とします。
 
税込みで経理する場合は、売上税額は売上金額、仕入税額は仕入金額などとなり、消費税及び地方消費税の納付税額は租税公課として損金に算入することになります。
5 本体価額と消費税額等とを区分して領収するとき
1 課税標準額に対する消費税額の計算の特例
課税標準額に対する消費税額は、原則としてその課税期間中の税込み取引金額の合計額に100/105 を乗じて課税標準額を算出し、その課税標準額に4%の税率を乗じて計算します。
しかし、課税資産の譲渡等に係る取引について領収すべき金額について、
課税資産の譲渡等の対価の額(本体価格)とその課税資産の譲渡等に課されるべき消費税額及び地方消費税額の合計額(消費税額等)に相当する額とに区分して領収する場合に、
その消費税額等に相当する金額の1円未満の端数を処理しているときには、その端数を処理した後の消費税額等に相当する金額のその課税期間中の合計額を基礎として、その課税期間中の課税標準額に対する消費税額を計算することができます。
この場合の課税標準額に対する消費税額は、1円未満の端数を処理して領収した消費税額等に相当する金額のその課税期間中の合計額の80/100となります。
なお、この規定の適用を受ける場合の消費税額等に相当する金額の1円未満の端数処理の方法は、切捨て、切上げ、又は四捨五入のいずれの方法でも認められます。
2 課税資産の譲渡等に係る取引について領収すべき金額
「課税資産の譲渡等に係る取引について領収すべき金額」とは、次の場合には、それぞれ次の金額をいうこととされています。
 (1)顧客に販売した複数の商品(課税資産に限ります。)を一括して引き渡した場合
顧客から一括してこれらの商品の代金を受領した場合の領収書(レシート等を含みます。)に記載された金額の合計額
   
 (2)取引の都度掛売りをし、その掛売りの額について一定期間分をまとめて請求する場合
    一の請求書に記載された金額
 (3)電気、ガス、水道水等を継続的に供給し、又は提供するもので、
    その一定期間分の料金をまとめて請求する場合
    一の請求書に記載された金額
 (4)納品の都度請求書を発行する場合
    納品の都度発行される請求書に記載された金額
   それぞれの場合の消費税額等に相当する金額の一円未満の端数処理は、
(1)の場合は領収書ごとに行うことになり、(2)から(4)の場合には交付する請求書ごとに行うことになります。
3 「区分して領収する」の意義
課税資産の譲渡等の対価の額と消費税額等に相当する額とに「区分して領収する」とは、代金の決済に当たって課税資産の譲渡等の対価の額(本体価格)と1円未満の端数を処理した後の消費税額等に相当する金額とを領収書又は請求書等において区分して明示している場合をいいます。
  
したがって、その領収時に、外税価格により表示した複数の商品代金を集計し、これに税率を乗じた金額を加算して領収する方法によって区分しているときが該当します。
  
6 本体価額と消費税額等とを区分して領収しているものと、それ以外のものとがあるとき
 課税資産の譲渡等に対して領収する金額を、本体価額と消費税及び地方消費税の合計額とに区分して領収している場合で、その消費税及び地方消費税の合計額について1円未満の端数を一定の方法で処理しているときには、消費税法施行規則第22条第1項の規定により、その端数処理後の消費税及び地方消費税の合計額を積上げ計算した額の100分の80をその課税期間の課税標準額に対する消費税額とすることができます。
 また、この規則第22条第1項の規定を適用するか、しないかは、納税者の選択に任されています。
 ところで、実際の取引においては、このように本体価額とこれに対する消費税及び地方消費税の合計額を区分して領収することのできない、いわゆる内税商品であるたばこ及び新聞、雑誌などの取引が含まれることがあります。
 売上げの中に、このような税込価額で領収する売上げと、本体価額とこれに対する消費税及び地方消費税の合計額とを区分領収する売上げが混在する場合には、次の二つの方法のいずれかにより課税標準額に対する消費税額を計算します。
@ 規則第22条第1項の規定の適用を受けない場合 イの金額とロの金額の合計額に105分の100を乗じ(1,000円未満の端数切捨て) 、これに4%の税率を乗じた金額
 イ 税込価格を表示した商品のその課税期間中の合計売上額
 ロ 本体価格と消費税額及び地方消費税額に相当する額とを区分領収している商品のその課税期間中の本体価格の合計売上額に区分領収した消費税額及び地方消費税額に相当する額(端数処理後の額)の合計を加算した金額
A 規則第22条第1項の規定の適用を受ける場合 イの金額とロの金額の合計額
 イ 税込価格を表示して販売した商品のその課税期間中の合計売上額に105分の100)を乗じ(1,000円未満の端数切捨て) 、これに4%の税率を乗じて計算した金額(1円未満切捨て)
 ロ 本体価格と区分して領収した消費税額及び地方消費税額(端数処理後の額)のその課税期間中の合計額に100分の80を乗じた金額
7 消費税額等の積上げによって仕入れに対する消費税額を計算するとき
 仕入れに係る消費税額は、通常、課税期間中の税込課税仕入高に4/105を乗じて計算します。
 しかし、課税仕入れについて、取引ごとに、税抜きの支払対価の額と消費税及び地方消費税の合計額に相当する額とに区分して経理処理を行っている場合には、次の二つの場合に応じて処理した消費税額を仕入れに対する消費税額とすることが認められています。
(1)その課税仕入れの相手方が領収書又は請求書などに
消費税及び地方消費税の合計額を別に記載している場合
その別に記載された消費税及び地方消費税の合計額を積上げ計算した金額の80/100を仕入れに対する消費税額とすることができます。
   
(2)課税仕入れに係る支払対価の額が税込みで請求される場合
その取引ごとに課税仕入れに係る消費税及び地方消費税の合計額を計算し、1円未満の税額について継続して切捨て又は四捨五入などの端数処理を行っているときには、その端数処理後の消費税及び地方消費税の合計額の積上げ額の80/100を仕入れに係る消費税額とすることができます。
   
   
8 販売価格を税込みで表示しているとき
課税資産の譲渡等について代金を税込みで領収している場合には、その課税期間中の税込金額の合計額を基に課税標準額を計算し、これに税率を掛けた金額が消費税額となります。
 経理処理を税抜きで行っている場合であっても、資産の譲渡などの代金と消費税及び地方消費税の合計額を区分しないで領収している場合には、同じ方法になります。
 したがって、このような場合には、まず、税抜経理により処理された売上高と仮受消費税額等とを合計して税込みの売上高を計算し、この金額に105分の100を掛けて課税標準額を計算します。この場合、合計した金額の1,000円未満の端数を切り捨てて1,000円単位の金額とします。
 次に、この課税標準額に税率4%を掛けて、消費税額を計算します。
 すなわち、税抜経理による仮受消費税額等を単純に積上げ計算した金額の100分の80を、その課税期間における課税標準額に対する消費税額とすることはできませんので、ご注意ください。
 なお、課税資産の譲渡等の代金について、本体価額と消費税及び地方消費税の合計額とを区分して領収している場合において、1円未満の端数を処理した消費税及び地方消費税の合計額を仮受消費税額等としているときは、その仮受消費税額等を積上げ計算した金額の100分の80を、その課税期間における課税標準額に対する消費税額とすることができます。
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