1 退職金に対する源泉徴収
役員や使用人に退職金を支払うときには、所得税を源泉徴収して、原則として、翌月の10日までに納めます。
 この退職金には、退職したことにより支払われるすべてのものが含まれますので、本来の退職手当のほかに功労金などを渡しても退職金に含めなければなりません。
(注)死亡退職により支払う退職金で相続税の課税の対象となるものは、所得税の源泉徴収は必要ありません。
(1)「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けている場合
   イ 退職する人の勤続年数を計算します。
     勤続年数の期間は、退職の日まで引き続き勤務した実際の期間です。
     長期の欠勤や病気での休職の期間も、勤続年数に含めます。
     勤続年数の期間に1年に満たない端数があるときは、その端数を1年に切り上げます。
   ロ イで計算した勤続年数に応じて、次の表により退職所得控除額を計算します。
勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 A×40万円(80万円以下の場合には、80万円)
20年超  (A−20年)×70万円+800万円
(注)障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、
上記の方法により計算した額に、100万円を加えた金額です。
   ハ 退職金の支給額からロで計算した退職所得控除額を差し引き、2分の1にします。
   ニ ハの金額に所得税の税率を掛けて計算した額が、源泉徴収する税額になります。
(2)「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けていない場合
   この場合には、退職金の支払額から一律に20%の所得税を源泉徴収しなければなりません。
   この源泉所得税は、役員や使用人が確定申告で精算することになります。
2 同じ年に2か所以上から退職金をもらったとき
役員や使用人に退職金を支払うとき、同じ年にすでにほかの会社などから退職金をもらっていることがあります。
また、一つの会社を退職するとき、同時に2か所以上から退職金が支払われることもあります。
これらの場合には、ほかの会社などが支払った退職金も含めて、源泉徴収税額を計算しなければなりません。
 まず、退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」とすでにほかの会社等から交付されている「退職所得の源泉徴収票」の提出を受けてください。「退職所得の受給に関する申告書」には、以前に受けた退職金の金額、源泉徴収された税額、支払年月日、勤続年数などを記入してもらってください。
 次に、源泉徴収する所得税額の計算を、これから説明する順序で行ってください。
(1)勤続年数を計算します。
ほかの会社などから支払われた退職金と今回支払う退職金のそれぞれの勤続期間のうち、一番古い就職の日から今回の退職の日までの期間が勤続年数となります。勤続年数に1年に満たない端数があるときは1年に切り上げます。
 A社(91年4月入社)を00年3月、B社(94年4月入社)を00年7月に退職した場合
 B社で源泉徴収するときの勤続年数は、一番古い就職の日(91年4月)から今回の退職の日(00年7月)までの9年4か月になりますので、端数を切り上げて10年になります。
(2)(1)で計算した勤続年数に応じて、次の表により退職所得控除額を計算します。
勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 A×40万円(80万円以下の場合には、80万円)
20年超  (A−20年)×70万円+800万円
(3)(ほかの会社等から支払われた退職金)+(今回支払う退職金)−(2)
(4)(3)×1/2×(所得税の税率)
(5)(4)−(ほかの会社等の退職金について源泉徴収された税額)

W 退職金と源泉徴収

中小企業者のための税法のページ
源泉所得税

目次に戻る